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②儒教について

次に、 韓民族の歴史において、儒教が大きな影響を与えました。社会的共同体を築いて過ごしていくに当たり、「三綱五倫」(注:三綱五倫〈君臣・父子・夫婦および兄弟・朋友〉の身分血縁的関係のあるべき人倫秩序)のうち、特に「孝」を掲げ、人格修養を通して理想の共同体を築こうとしたのです。 韓民族の宗教性においても、儒教が大きな役割を果たしました。

③道教について

道教は、中国古代に成立した神秘思想で、 神仙思想を中心に民俗宗教を習合した自然志向の宗教です。万物は天(道〈タオ〉・天道)に由来する宇宙の根本原理によって成り立ち、人間は自然の道理に従い、宇宙や自然との調和の中で生きることを理想とするものです。

④民族宗教について

また、韓民族に影響を与えた民族宗教〟があります。 「東学」という民族宗教は、「侍天主」、「人乃天」という思想を通して、天を敬い、天に侍る生活の重要性を強調しました。

「侍天主」、すなわちどのように天主 (神) に侍るのかを求め、「人乃天」として、人に宿る「神霊」に相対すれば、天と一体化することができると説きました。こうして、人間がどのようにして天に近づき、理想的な人間になれるのかについて深く考えたのであり、それが韓民族の宗教的特性の定着に大きな役割を果たしたのです。

以上の仏教、儒教、道教、東学などの内容は、将来、独り娘を中心として、天の父母様(神様)に侍る生活と文化をつくる使命を持つ韓民族にするためのものであったといえます。

⑤仏教の「和諍思想」について

韓民族の仏教には、「和諍思想」があります。 「和諍思想」とは、多様な意見や思想があるが、それらが一つになって調和し、統一されていくという思想です。 韓国で発展した「華厳宗」(仏教の宗派の一つ)は、仏教の和合と体系化を図り、「孝」の文化を伝えて悪を遠ざけようとしました。

宗教の中に様々な矛盾や葛藤があっても、それらは克服され、一つになれるという信念

が民族にはあります。多くの宗教が伝来しても、互いに通じ合い、調和して共存する民族性があったのです。

また、仏教で重要な役割を果たした人に元曉大師(ウォニテサ)(617~686)や義湘大師(ウィサンテサ)(625~702) という人物がおり、仏教の発展に寄与しました。

⑥国難に立ち上がった護国仏教

韓民族が大きな危機と試練に直面すると、泗溟大師(サミョンテサ)(1544~1610)や西山大師(ソサンテサ)(1520~1604)という人物が、修道をしながらもその国難の時に立ち上がり、僧兵として韓民族を救おうとしました。こうして、護国仏教、国を守護する仏教という概念がつくられました。これは、仏教が韓民族と共にあって、国を守り、韓民族の宗教性を築き上
げてきた良い事例といえます。

日本統治下に至る大韓帝国が終わった頃(1897〜1910)にも、韓龍雲(ハンヨンウン)僧侶(1879~1944)が「仏教維新論」を唱え、韓国仏教を改革し、独立運動によって民族の特性を守ろうとしました。

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