③韓国の民族宗教における「待望思想」
また、韓国には国家の混乱期に現れた『鄭鑑録(チョンガムノク)』と『格菴遺録(キョガヌユロク)』という預言書があります。
『鄭鑑録』が述べているのは、世界を救うために「鄭道令(チョンドリョン)」という聖君が現れるということです。 新しい世界が開かれる時を「後天開闢(コウテンカイビャク)」と言いますが、新しい世界を開く人物が、韓国の宗教から出てくるというのです。
『格菴遺録』も同じです。世界は混乱しているが、ある日、新しい世界に変わるときに、聖君が現れて新しい世界を開き、天のみ旨を成し遂げると伝える預言書です。
さらに、韓国には東学という宗教があります。韓国の歴史において、国が変わるときが最も混乱したときだといえます。 中でも、朝鮮という国が終わって近代化が始まったときに、韓民族はうまく対応することができず、大混乱しました。 このとき、西洋の文化・文明が急激に入ってきたのです。
そこで、「西洋文明ではいけない。民族の伝統を守らなければならない」と言って現れたのが東学という宗教です。東学は、韓国の伝統的な宗教や思想の核心を整理したものです。新しく何かをつくったというのではなく、それまでの韓国の宗教や思想を整理したものが東学だといえます。
そこに出てきたのが、開闢という思想です。世の中がひっくり返り、「先天時代」が終わって「後天時代」が開かれるという話です。そして「侍天主(ジテンシュ)」(注:自己の内に宿る“天理〟に従うことで、人間や天地万物が天の父母様(天)に侍って生きる世界が到来するのだと、東学は強調しました。
これは、家庭連合の教えと似ている部分があります。この時代に現れた韓国宗教におけ共通したキーワードが、「後天開闢」という言葉なのです。すなわち、新しい希望の世界が到来するというのです。その世界では、人々が衷心より天の父母様(天)に侍って生きるようになるという話を、東学ではしています。
崔濟愚(チェヂェウ)(1824~1864)が興した東学の第三代教主である孫秉熙(ソンビョンヒ)(1861~1922)は、
それまでの東学を「天道教」に改称しました。 天道教の核心的なものが「開闢(カイビャク)思想」であり、「後天開」が成されるというのです。その重要な教えとして、「人乃天(ひとすなわちてん)」という思想があります。これは、人の内に宿る「神霊」に相対すれば、天と一体化することができるという思想であり、東学独特の考えです。
韓国人は、霊性を高めていけば、直接、天の父母様 (天)を感じることができると考えます。他の国においては、懸命に祈ればイエス様が現れたり、聖人や天使が現れたりするなどの霊的経験をするといいますが、韓国人は、精誠を捧げて祈れば、天の父母様(天)が現れると考えるのです。 韓民族はそのような気質を持っています。
韓民族は、ある存在 (仲保者)を通して天の父母様に会うというのではなく、天の父母様直接経験し、天の声を聞くことができると考える民族性を持っています。そのような宗教心があるため、天に直接通じる経験をするというわけですが、これが「人乃天」ということになります。「後天開闢」が成されれば、地上天国が成し遂げられるのだと、天道教は教えています。
④「待望思想」のまとめ
以上の話を総合すれば、仏教、儒教、天道教もそうですが、重要なこととして第一に、韓民族は現在の世界ではなく、万民が平和で幸せに暮らす新しい世界の到来を待ちわび、願ってきたということです。
第二に、その到来に際して、それが自分たちだけでできるというのではなく、天の代身者が来て、その代身者と共に新しい世界を開き、「後天開闢」になると考えました。
第三に、韓国人はその民族的な宗教心が天と通じて、直接、天の声を聞き、天の父母様(神様)を感じることができると考えたということです。
韓民族の宗教心の特徴が、他の国と違っている部分があるとすれば、以上の三つに整理することができると思います。
これらの内容は、祝福家庭も同じではないでしょうか?
天の父母様が「人類の真の父母」を遣わすために準備された基台として、新しい世界の到来、「後天開陽」を韓民族が願うように育てられたということです。天の代身者を待ちわび、その代身者が現れたときには、直接、天の父母様と通じることができるようにと願われたのです。

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